スポーツ×アロマの新習慣!毎日のセルフケアに取り入れたい香りとは?

運動シューズの画像

スポーツ時の集中力アップや緊張緩和、さらには疲労回復を目的として、アスリートを中心にアロマテラピーが注目されています。精油の香りは心身をリフレッシュさせるだけでなく、理想のボディづくりをサポートしてくれる可能性も。

今回は、スポーツとアロマの関係やおすすめの精油、毎日の習慣に取り入れやすい活用法を紹介します。

アロマがスポーツに役立つ理由

アロマといえば「リラックス」というイメージが強い方も多いかもしれませんが、近年、精油のさまざまな効用が明らかになり、トレーニングやコンディショニングに活用されています。

スポーツで成果を出すためには、肉体的なトレーニングだけでなく、メンタル面のコンディションを整えることも不可欠です。精油の香りは脳へ直接届き、集中力の向上や緊張緩和など、心身のバランス調整に役立つことから、多くのプロアスリートがアロマテラピーを取り入れているほか、スポーツジムなどでも使われています。

香りを感じると、鼻の奥にある「嗅細胞」がその情報を信号として脳へ送り出します。この信号が、喜怒哀楽などの感情を司る大脳辺縁系、記憶を司る海馬、そして自律神経やホルモン・免疫機能を調整する視床下部などに届き、心と身体のバランスに働きかけるのです。

スポーツにアロマを取り入れるメリットとは?

スポーツシーンで注目されているアロマの効用は、コンディショニングだけではありません。

AEAJが40代女性200人を対象に行った調査では、運動とアロマを組み合わせることで、見た目や運動習慣、体型への満足度によい影響があることがわかりました。ここではその具体的なメリットを紹介します。

運動にアロマを取り入れている人ほど、見た目年齢が若い

あなたは年齢よりも若くみられることが多いですか?の円グラフの画像
AEAJ「40代女性の「運動にアロマ」意識・実態調査(2014/回答数300人)より

運動時にアロマを活用している女性に対して、「実年齢よりも若く見られることが多いか」と質問したところ、約70%が「はい」と回答しました。これは運動だけをしている方より約20%も多い数値です。

このことから運動にアロマを取り入れることが、見た目年齢を若く保つ秘訣のひとつになっていると考えられます。

「いつまでも若く見られたい」と願う方にとって、アロマはうれしいサポートとなってくれそうです。

アロマを取り入れている人は「運動継続率」が高い

1年以上運動をしている人の割合の棒グラフの画像
AEAJ「40代女性の「運動にアロマ」意識・実態調査(2014/回答数300人)より

日頃からアロマを取り入れている方の約70%が1年以上運動を継続しており、取り入れていない人に比べて高い結果が出ています。

香りがあることで運動へのモチベーションが上がり、気分よく取り組めることやストレスにも上手に対処しやすいことが継続率アップにつながっているのかもしれません。

運動を始めてもなかなか続かない、飽きやすいと感じる方は、アロマを取り入れてみてはいかがでしょうか。

運動時にアロマを使っている人はボディラインへの満足度が約3倍!

自分のボディラインに満足している人の割合の棒グラフの画像
AEAJ「40代女性の「運動にアロマ」意識・実態調査(2014/回答数300人)より

アロマを取り入れて運動している方は、そうでない方の約3倍も「自分のボディラインに満足している」と答えています。

香りを楽しみながら運動を続けられる習慣が、理想の身体づくりへとつながっていることが読み取れます。

ボディメイクを目的に運動している方にとっても、アロマは心強いサポートアイテムとなるでしょう。

スポーツシーンにおすすめの精油

精油にはそれぞれ異なる香りや働きがあり、スポーツをするときの目的やシーンに合わせて選ぶことでより効果的に取り入れられます。

ここでは、集中力アップやリフレッシュ、疲労回復などに役立つおすすめの精油を紹介します。

グレープフルーツ

グレープフルーツの画像

グレープフルーツの精油は、甘酸っぱくさわやかな香りが特徴です。

芳香浴によって脳内の情報処理が高まったという可能性が示唆されており、スポーツで集中力を高めたいときに適しています。

また、ある研究ではグレープフルーツの香りが交感神経を刺激し、脂肪分解を促進したことが報告されています。ダイエットやボディメイクを目的に運動している方にもぴったりの精油です。

ペパーミント

ペパーミントの画像

清々しくクールな香りが特徴のペパーミント精油は、リフレッシュやクールダウンをサポートします。AEAJの調査では「運動シーンで役立つ精油ランキング」の1位に選ばれており、多くの方に支持されていることがわかります。

さらに、運動中にペパーミント精油の芳香浴を行うことで、運動後に心身が活動モードから休息モードへスムーズに切り替わったことが確認されています。

ペパーミントの効能については、以下の記事でも詳しく解説しています。

ラベンダー

ラベンダーの画像

ラベンダー精油は、フローラルの中にほんのりフルーティさを感じる香りが特徴です。古くから、心を落ち着かせたいときに使われてきました。また抗菌作用や抗炎症作用をもつため、さまざまな場面で役立つ精油です。

スポーツシーンでは、試合前の緊張や眠りにくいとき、運動後の筋肉のこわばりを和らげたいときに加え、汗のにおいが気になるときなどにもおすすめです。

ラベンダー精油については、以下の記事で詳しく解説しています。

ローズマリー

ローズマリーの画像

ローズマリー精油は、清涼感のあるシャープな香りに、ほのかな甘さが加わった特徴的な香りをもちます。

血行促進作用があるといわれているため、トリートメントオイルに加えて運動後の腕や脚をケアするのもおすすめです。

また、ローズマリー精油の香りを嗅ぐことで精神的な疲労が軽減したという報告もあるので、運動中にリフレッシュしたいときに取り入れてみるとよいでしょう。

日々の習慣に取り入れたい!スポーツシーンでのアロマ活用法

スポーツシーンで役立つアロマの取り入れ方を紹介します。

試合前に集中力を高めたいときに|吸入法

ティッシュに精油を垂らしている画像

大切な試合や大会の前に気持ちを整えたいときには、ローズマリー精油やグレープフルーツ精油を使った吸入法が役立ちます。ティッシュやハンカチに精油を数滴垂らし、香りを嗅ぐことで気持ちを前向きにし、集中力を高めてくれます。

精油をしみ込ませたティッシュをポケットに入れたり、好きな香りで作ったサシェを衣類の引き出しに入れてスポーツウェアに香りを移したりするのも手軽な方法です。ただし、精油の原液が衣類や肌に直接つかないよう注意しましょう。

試合当日の朝には、お湯を入れたマグカップに精油を1滴垂らし、立ちのぼる香りを深呼吸で取り入れるのもおすすめです。その際は、誤って飲まないよう十分に気を付けてください。

汗が気になるときに|ペパーミントスプレー

ルームスプレーの画像

ペパーミント精油で作ったスプレーを空間にシュッとひと吹きすれば、ひんやり感と爽快な香りが楽しめます。

ペパーミント精油の香りをかぐことで体感温度が約4℃下がったという報告もあり、汗ばむ季節にもぴったりです。気になる汗もすっと落ち着き、心も身体もリフレッシュできます。

柔らかな香りがお好きな方は、抗菌作用のあるラベンダー精油とブレンドするのもおすすめです。


〈作り方〉

  1. スプレー容器(50ml)に無水エタノール5mlを入れる。
  2. ペパーミント精油を5滴ほど溶かす。ラベンダー精油とブレンドする場合は、合計5滴になるよう調整する。
  3. 精製水45mlを加えて、よく振って混ぜる。


※ペパーミント精油は皮膚に刺激となることがあるので、皮膚につかないように注意しましょう。
※目に入らないよう注意してください。刺激を感じたときはすぐに使用を中止し、必要に応じて医師の診察を受けてください。

心身の緊張をほぐしたいときに|アロマテラピートリートメント

足をマッサージしている画像

運動後の腕や脚は、やさしくいたわってあげたいものです。そんなときは、精油を加えた植物油を使ってセルフトリートメントをしてみましょう。

トリートメントによって血行が促され、筋肉の疲れを和らげるとともに、ふわっと広がる香りが心の疲れもやさしく癒やしてくれます。

リラックスしたいときにはラベンダー精油、血行をよくしたいときにはローズマリー精油がおすすめです。


〈トリートメントオイルの作り方〉
ホホバ油などの植物油20mlに精油を4滴以内(1%以下)加え、よく混ぜます。精油は原液のまま肌に塗布すると刺激になることがあるため、必ず植物油などで薄めてから使いましょう。

※ボディ用は精油濃度1%以下、フェイス用は0.5%以下が目安(AEAJ推奨濃度)
※精油1滴=約0.05ml


〈セルフトリートメントの方法〉

  1. トリートメントオイルを小さじ1杯ほど手にとる。
  2. 足首からひざへ向かって両手でやさしく2~3回さする。
  3. ふくらはぎを足首からひざ裏へ向かって2~3回さする。
  4. 最後にくるぶし周りを両手で包み、円を描くようにほぐす。

衛生面が気になるとき|ラベンダースプレー

ラベンダー精油を使ったスプレーは、公共施設やスポーツジムなどで素足になるときに役立ちます。

ラベンダー精油には抗菌作用があるといわれているため、気になる部分にスプレーすれば清潔感のキープが期待できます。


〈作り方〉

  1. スプレー容器(50ml)に無水エタノール5mlを入れる。
  2. ラベンダー精油を5滴ほど加える。
  3. 精製水45mlを注ぎ、よく振って混ぜる。

※肌に直接使うときは、精油濃度を1%以下にしてください。
※目に入らないよう注意し、刺激を感じたときはすぐに使用を中止し、必要に応じて医師の診察を受けてください。

リラックスしたいときに|アロマバス

お風呂の画像

緊張や興奮でなかなか眠れない夜には、良質な睡眠のサポートが期待できるラベンダー精油(1~5滴※)と無水エタノールを混ぜて浴槽に入れるアロマバスがおすすめです。

精油の香りが副交感神経に働きかけ、心身を落ち着かせ、ゆったりとした気持ちで眠りにつきやすくなります。

※一般的な家庭の浴槽(200L)に対しての分量

アロマバスの方法については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

精油を扱う際の大切な注意点を守って使用しましょう。

まとめ

スポーツ前の集中力アップやスポーツ中のリフレッシュ、スポーツ後のコンディショニングまで、アロマを取り入れたセルフケアが役立ちます。ペパーミント精油の清涼感で気分をリフレッシュしたり、ラベンダー精油で筋肉をやさしく労わったりと、シーンに合わせて活用できます。

さらに知識を深めたい方は、「アロマテラピー検定」に挑戦してみるのもおすすめです。基礎から体系的に学べるため、スポーツはもちろん、日常のケアにもより自信を持って活かせるようになるでしょう。

【出典】
針谷毅 (2008) グレープフルーツの香りが脂肪燃焼に及ぼす影響. Aromatopia : the journal of aromatherapy & natural medicinev = アロマテラピーと自然療法の専門誌 17(5):12-16.
小野里佳菜,前田耕助 (2020) 覚醒作用のあるアロマオイル使用後の自律神経活動と気分の変化. J Jpn Health Sci 23(1):5-13.
庄司健 (2005) 香りが感覚/使用感触の判断に及ぼす効果. Aroma Research 6(3):283-289.

著者情報
アロマサイエンス研究所
著者情報
アロマサイエンス研究所

植物の持つチカラが、心や身体にどのように作用するのか、研究・調査によってその有用性を明らかにし、さらに多くの方にアロマテラピーの魅力を伝えていくため、公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)が立ち上げた研究所。

※本サイトの記事・写真・イラストなどの無断転載・複製はご遠慮ください。

About

「sense of AROMA」は、公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)が運営するWEBメディアです。
アロマで暮らしを彩り、健康で豊かな毎日を過ごすためのヒントをお届けします。

Page
Top