咳や喉の違和感が気になるときにおすすめのアロマ5選|呼吸を楽にする香りと使い方
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乾燥する季節や季節の変わり目には、咳や喉に違和感を覚えることもありますよね。そんなときは、香りの力で心の身体のリラックスをサポートする精油(エッセンシャルオイル)を取り入れてみるのもひとつの方法です。今回は、咳や喉の違和感を和らげるためにおすすめの精油と、暮らしへの取り入れ方を紹介します。
咳や喉の違和感が気になるときにおすすめのアロマ
ここでは、咳や喉の不快感を和らげたいときに役立つおすすめの精油を5つ紹介します。
サンダルウッド

サンダルウッドは、インドやインドネシアなどを主な産地とするビャクダン科の植物です。古くから宗教と深い結びつきがあり、お香として瞑想や宗教儀式に用いられてきました。
サンダルウッド精油は、ウッディ調の香りにミルキーでやわらかな甘さが調和しているのが特徴です。咳や気管支の違和感が気になるときに用いられることもあり、長年にわたって人々に親しまれてきました。また、心を穏やかに整えたいときに選ばれる香りとしても知られています。
落ち着いた香りを好む方や、ゆったりと過ごしたいときに取り入れてみたい精油のひとつです。
パチュリ

パチュリはシソ科の多年草で、主にインドネシアやインドなど熱帯地域で栽培されています。カシミール地方では、衣類の防虫目的として使われてきました。
パチュリ精油は、土を思わせる甘いウッディ調の香りが特徴です。揮発しにくい性質をもつため、ほかの香りを引き立てて全体のバランスを整える保留剤としても重宝されています。
古くから頭痛や風邪のケアにも活用されてきました。不安な気持ちを和らげたいときにも適しています。
また、個性的で温かみのある香りであることから、フレグランスやスキンケア商品の香り付けなどにも利用され、日常のさまざまなシーンで親しまれています。
フランキンセンス

フランキンセンスとは、原料植物のニュウコウジュから得られる樹脂のことです。『新約聖書』では、イエス・キリストの誕生時に黄金、ミルラとともに捧げられたことでも知られています。
精油は、さわやかさの中にスパイシーさを感じる澄んだ香りで、神聖さを感じさせるような印象をもつのが特徴です。樹脂そのものはほのかな香りですが、香として焚くと深みのある独特の香りが広がります。
古くから呼吸を整えたいときや、喉の違和感が気になるときにも香りが取り入れられてきました。
フランキンセンス精油について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
ミルラ

ミルラは、原料植物のモツヤクノキから採れる樹脂です。樹皮に傷をつけると黄色の樹液がにじみ出し、時間の経過とともに赤褐色に変化して樹脂となります。高い抗菌作用を持ち、古来より遺体の防腐処理などにも用いられてきたことから、ミイラの語源になったという説もあります。
精油は、独特の苦みとスパイシーさを併せもつ、深みのあるウッディ調の香りが特徴です。
呼吸器系の違和感を和らげたいとき、また、肌を保護する作用やエイジングケアにも効果が期待できるといわれているため、スキンケアにも活用されていま す。
ユーカリ

ユーカリはフトモモ科の植物で、コアラの主食としても知られています。主な原産地は、オーストラリアやスペインなどです。ユーカリには多くの種類がありますが、精油を得られるのはその中の限られた一部とされています。
葉から抽出される精油は、すっきりとした清涼感のある香りが特徴です。さわやかな香りは、気分をリフレッシュしたいときにも重宝します。
研究では呼吸器に感染する細菌を抑える働きが見られたという報告もあり、空気の乾燥や花粉が舞いやすい季節にも精油を心地良く使えるでしょう。
※皮膚刺激があるため、取り扱う際は肌に触れないよう注意しましょう。アロマバスやバームなど皮膚に触れる用途での使用はお控えください。
咳や喉の違和感があるときにおすすめの精油の活用法
季節の変わり目や乾燥する時期は、咳や喉の違和感を覚えることも少なくありません。ここでは、咳や喉の違和感が気になるときにおすすめの精油の活用法を紹介します。
ハンカチやティッシュに精油をつける

外出先や就寝前など、場所を選ばずに楽しめるのがティッシュやハンカチを使った芳香です。清潔なティッシュやハンカチに精油を1~2滴垂らすだけで、手軽に香りを取り入れられます。
オフィスのデスクまわりや枕元などにそっと置いておけば、気分転換やリラックスしたいときにも役立ちます。
ただし、香りを強く吸い込むと刺激を感じることがあるため、鼻を近づけすぎないよう注意が必要です。
布類を使う場合は、精油によって色が残る可能性があります。目立たない部分で試してから使用しましょう。
マグカップアロマ

咳や喉の違和感を和らげたい方は、マグカップアロマもおすすめです。ユーカリやフランキンセンスなどの精油を好みに合わせて選びましょう。活用法は以下の通りです。
〈準備するもの〉
- 精油…1~3滴
- 熱湯…適量
- 用具…マグカップ(ボウルや洗面器でも代用可能)
〈方法〉
- マグカップに半分ほど熱湯を注ぐ。
- 精油を1~3滴垂らす。
- 目を閉じて、カップから立ち上る蒸気をゆっくりと鼻から吸い込む。
※誤って飲まないように注意しましょう。使用後はマグカップをよく洗ってください。
※蒸気を吸い込むときは必ず目を閉じてください。
※不快感や異変を感じた場合は、使用を中止しましょう。
※咳がひどいときや、ぜんそくの場合は行わないようにしましょう。
アロマバス

アロマバスは、湯船に精油を垂らして香りを楽しむ方法です。精油は水に溶けにくい性質があるため、使用する際は無水エタノールなどで薄めてからお湯に加えましょう。
〈準備するもの(一般的な家庭の浴槽の場合)〉
- 精油…1~5滴
- 無水エタノール…5ml
〈方法〉
- 無水エタノールに精油を加え、混ぜておく。
- 1を浴槽に入れ、よくかき混ぜてから入浴する。
ただし、精油の入れすぎは刺激になることがあります。全身浴や半身浴など、入浴方法やお湯の量に合わせて、使用する精油の量を調整しましょう。また、上記の工程に天然塩(大さじ2程度)を混ぜると、アロマバスソルトとしても活用できます。
※肌に刺激を感じた場合は、すぐに洗い流してください。
アロマバスの方法や効果、注意点などが気になる方はこちらの記事が参考になります。
ブリージングバーム

寝る前のルーティンに、ブリージングバームを取り入れてみるのもおすすめです。首筋や胸の間など、呼吸の通り道や詰まりを感じる部分にバームでトリートメントしましょう。香りを感じながらゆっくりと深呼吸し、やさしくバームを肌になじませるのがポイントです。
〈準備するもの〉
- 精製シアバター…30ml
- 精油…6滴
〈方法〉
- シアバターに精油を加えてよく混ぜる。
- 手のひらに1.を取り、手の温度で溶かしながら気になる部分をトリートメントする。
混ざりにくい場合は、シアバターを湯せんで軽く溶かしてから精油を加えましょう。
精油の基本的な使い方や注意点については、こちらの記事をご覧ください。
まとめ
咳や喉の違和感が気になるときは、サンダルウッドやパチュリ、フランキンセンスやミルラ、ユーカリなどの香りを日々の暮らしに取り入れてみましょう。ハンカチなどに精油をつけて香りを楽しんだり、マグカップアロマやアロマバス、ブリージングバームを試したりするのもおすすめです。
肌に刺激を感じたらすぐに使用を中止し、体質や体調に合わせて無理のない範囲で楽しみましょう。香りを楽しみながら知識を深めたい方は、「アロマテラピー検定」で基礎から学んでみませんか?気分の変化に合わせて、自分に合った香りを選べるようになりますよ。
※精油は咳などの症状を治療する医薬品ではありません。
※精油を使用する人の健康状態や体質、感受性などに注意を払うことが必要です。不快感や異変を感じた場合は、使用を中止しましょう。
※医師による治療を受けている場合や、薬を処方されている場合は、精油を使用する前に必ず当該医療機関に相談してください。
【出典】
Cermelli C, et al. (2008) Effect of eucalyptus essential oil on respiratory bacteria and viruses. Curr Microbiol 56(1):89-92.
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