言語から「香り」を創り出すAI「OGDiffusion」を東京科学大学が開発
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言語的な香り表現から実際の精油ブレンドを自動生成するAI「OGDiffusion(オージー・ディフュージョン)」が誕生。画像や音声生成で広く活用されている拡散モデルを香り生成に応用した世界初の試みであり、香料開発におけるプロセスの自動化と効率化を目指すため、東京科学大学の研究チームにより開発されました(研究成果は2025年3月27日に科学雑誌『IEEE Access』に掲載)。
「OGDiffusion」は、57種類の香り記述子(例:「woody」「citrus」「herbal」など)と166種類の精油の質量スペクトルデータを学習しており、指定された香りのイメージに対応する質量スペクトルを生成できます。このスペクトルをもとに、非負拘束最小二乗法(NNLS)により、各精油の混合比を計算します。
なお、現段階では、扱える素材が精油166種に限定されており、香りの範囲を広げていくことが今後の課題。また、文化的背景や個人差による嗅覚認識のばらつきへの対応や、濃度・揮発性などの物理的要素との統合も必要とされています。
今後は、さらなるデータの多様化とリアルタイム調香ロボットとの連携が進めば、アロマ、香水、消臭剤などの消費財開発や、食品フレーバー設計、さらにはシミュレータやゲーム等の香りコンテンツの生成まで、多方面での応用が期待されます。
問い合わせ先/東京科学大学 総合研究院 未来産業研究所
www.isct.ac.jp/ja/news/zj4km15ao3vi