夏の暮らしを香りで整える。アロマで叶える季節のセルフケア
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蒸し暑さや寝苦しさ、汗のにおいなど、夏特有の不快感に悩まされる方は少なくありません。この季節を快適に過ごすために注目したいのが、アロマの活用です。
清涼感やリフレッシュ感のある香りを暮らしに取り入れることで、暑い夏も心地よく過ごせます。今回は、夏におすすめのアロマを使ったセルフケアの方法を紹介します。
夏の不快感をさわやかに!お悩み別アロマの活用法
ここでは、夏特有のお悩み別にアロマの活用法を紹介します。

蒸し暑い日が続く中、気分が優れず身体がだるく感じられるときは、アロマハンカチを使ったセルフケアがおすすめです。普段使用しているハンカチに、ローズマリーやグレープフルーツの精油(エッセンシャルオイル)を1滴垂らし、深呼吸をしながら香りを楽しみましょう。
ローズマリーやグレープフルーツの精油は、交感神経の働きを高める作用が確認されたという研究報告もあり、手軽にリフレッシュできることから、夏の気だるさにおすすめの香りです。
ただし、精油を含んだハンカチでそのまま汗をふいてしまうと、精油が肌に付着して皮膚トラブルに繋がるため、汗拭き用のハンカチとは別にしましょう。
汗でベタつく

汗をかきやすく、肌のベタつきが気になる夏には、芳香蒸留水を含ませたコットンでふき取りケアをするのがおすすめです。
芳香蒸留水とは、植物から精油を抽出する際に得られる芳香成分を含んだ水のことで、ハーブウォーターやフローラルウォーターとも呼ばれます。精油とは違い、そのまま化粧水として使えるほか、クリームや美容液など、さまざまなスキンケア製品にも幅広く配合されています。
特に、汗や皮脂が気になるときは、ローズやラベンダーの芳香蒸留水をコットンにたっぷりと含ませて、やさしく拭き取るとすっきりします。
さわやかな香りに包まれながら肌を整えることができ、保湿作用や制菌作用も期待できるため、外出先でのリフレッシュにもぴったりです。
自分のにおいが気になる

夏は汗をかく機会が増え、自分のにおいが気になる方もいるでしょう。においの原因は汗そのものではなく、皮膚と雑菌が混ざることで発生するといわれています。
自分のにおいが気になるときは、制菌作用があるラベンダー精油を使ったアロマデオドラントスプレーを活用してみましょう。作り方は以下の通りです。
- お湯100mlに対して、ミョウバン3gを加えて一晩おく。
- ラベンダー精油10滴(約0.5ml)をエタノール5mlに溶かして希釈液を作る。
- 1.のミョウバン水に、2.の希釈液1mlを、スポイトで加える。
- 3.をスプレーボトルに入れてよく混ぜる。
スプレーボトルに入れて持ち歩けば、気になるときにいつでもにおいケアができます。ラベンダー精油の香りが、心地よく包み込んでくれるでしょう。
寝苦しさ・暑さによる不眠

蒸し暑くて寝付けない、暑さで夜中に何度も目が覚めてしまうなど、夏の寝苦しい夜には、ペパーミント精油を使った香りの空間づくりもおすすめです。
ペパーミント精油を染みこませたリボンや布を、扇風機やエアコンの送風口に取り付けることで、風にのって清涼感のある香りが部屋全体に広がります。
ペパーミント精油の香りをかぐことで体感温度が4度下がったという結果も報告されており、睡眠環境を整えるのに役立ちます。香りを活用した空間づくりの手順は以下の通りです。
〈準備するもの〉
- リボンまたは布 10cm~15cm
- ペパーミント精油 1~2滴
〈方法〉
- リボンや布を適当な長さにカットしておく。
- 扇風機の前面のカバー、またはエアコンの送風口にリボンや布を結び付ける。
- リボンや布の端にペパーミント精油を数滴垂らす。
上記の方法で行う場合は、精油が肌につかないように気をつけて、リボンや布が扇風機またはエアコンの送風口に絡まないように注意しましょう。
虫刺され・虫よけ
夏の外出やアウトドアで、蚊や虫が気になるときは、アロマを使った天然の虫よけアイテムを取り入れてみてはいかがでしょうか。
なかでもおすすめなのが、虫が嫌う香りとして知られているレモングラス精油です。リボンの先に1滴たらし、手首に軽く巻きつければ、手軽なアロマブレスレットとして活用できます。
その他には、精油をたらした布や厚紙をバッグにぶら下げるのもおすすめです。
肌に直接精油が触れないように注意してください。
アロマを使った虫よけについて気になる方は、こちらの記事をご覧ください。
「虫よけにおすすめのアロマ|活用法と注意点」
エアコンによる冷え
冷房が効いた室内で長時間過ごすと、足元から冷えを感じることがあります。冷え対策には、アロマを使ったフットケアがおすすめです。
アロマフットトリートメント

植物油に精油を加えたトリートメントオイルを使い、ふくらはぎの裏をやさしくさすって、血行をよくしましょう。
ただし、精油には香り成分が高い濃度で含まれているため、そのまま肌につけると刺激や肌トラブルの原因になりかねません。
フットトリートメントに精油を活用する場合は、精油の濃度を1%以下に薄めてから使用しましょう。肌への刺激が気になる方は、さらに低濃度から試すことをおすすめします。
足浴

足浴は冷房による冷えやだるさを感じたときに、手軽にできるケア方法です。
洗面器に足首までつかる程度のお湯を入れ、あらかじめ無水エタノール5mlに混ぜた精油(1~3滴)を加えてかき混ぜましょう。椅子に座って足をお湯に浸せば、全身の血行を促しながらリフレッシュできます。
フットケアの精油には、ネロリがおすすめです。ネロリ精油は心身の緊張をやわらげ、皮膚温度を上げたことが報告されています。
日焼け後の肌ケア

日差しが強い季節は、知らず知らずのうちに肌がダメージを受けていることがあります。日焼けによるしみ・そばかすが気になるときは、オイルパックで肌をやさしく労わってみましょう。オイルパックの方法は以下の通りです。
- ガラスビーカーなどの容器に、ユズシード油(植物油)10mlを入れる。
- 1.にローマンカモミール精油を1滴加え、しっかり混ぜ合わせる。
- 2.を洗顔後の清潔な肌にたっぷり塗り、蒸しタオルをのせて数分間パックをする。
ローマンカモミール精油は、肌のキメを整える働きが研究で報告されています。
なお、精油は原液のまま直接肌につけられないため、必ず植物油で希釈し、顔につける際は0.5%以下の濃度で使用することが大切です。
また、ヒリヒリするほど日焼けしている場合は避けましょう。
薄着でボディラインが気になる

薄着になる季節に体型が気になりはじめたら、運動にアロマを取り入れてみるのもおすすめです。
特に、グレープフルーツの香りは、交感神経の働きを活発にし、脂肪分解をサポートする酵素に影響を与えたことが研究で確認されています。
甘酸っぱくさわやかなグレープフルーツ果実そのもののような香りをかぐことで気分も引き締まり、モチベーションアップにもつながるでしょう。
アロマを使う際の注意点

アロマを安全に楽しむためには、いくつかの基本的な注意点を知っておくことが大切です。使用時は皮膚や目、口への影響にも配慮し、正しい方法で取り入れましょう。
精油の原液を皮膚につけない
精油は植物の香り成分が高濃度に含まれているため、原液のままでは刺激が強いため、肌に使用する際は必ず植物油などで希釈(薄める)することが大切です。
万が一、精油が直接肌についてしまった場合は、速やかに大量の水で洗い流すようにしましょう。赤みや刺激、発疹など皮膚に異常がみられた場合は、医師の診察を受けてください。
精油を目に入れない
目は皮膚よりもデリケートな部位であるため、さらに注意が必要です。誤って目に入れたり、精油に触れた手で目をこすったりしないよう注意が必要です。
精油が目に入ってしまった場合は、すぐに大量の水で洗い流し、決して目をこすらず、速やかに医療機関を受診してください。
精油を飲用しない
日本では一般的に精油は医薬品や食品ではなく、「雑品」に該当します。AEAJでは、希釈したものであっても精油を飲むことや、ほかの食品と一緒に摂取すること、うがいに使うことをおすすめしません。精油を誤って飲んだり、口の中に入ったりした場合は大量の水でよくすすぎます。
飲み込んでしまった場合は吐かせずに、すぐに医師の診察を受けてください。その際、誤飲した精油の容器を持参して受診することをおすすめします。
3歳未満の子どもへの使用は慎重に行う
AEAJでは、3歳未満の乳幼児には芳香浴以外の方法は避けるようおすすめしています。
そのため、空間に香らせる、リュックや衣類にスプレーするなど、肌に直接触れない形で香りを取り入れましょう。
また、芳香浴を行う際も、精油の量を大人の半分以下にし、濃度を薄めた香りにとどめることが大切です。誤飲や誤用を防ぐため、精油は必ず子どもの手が届かない場所に保管しましょう。
まとめ
アロマは、夏の不快感をやわらげ、快適な毎日をサポートしてくれます。ただし、アロマを取り入れる際は、正しい使い方と基本的な注意点を押さえておくことが重要です。肌や目、口に触れないようにするなど、適切な方法で楽しみましょう。
さらにアロマへの理解を深めたい方は、アロマテラピー検定で精油の魅力を学んでみるのもおすすめです。精油の知識を深く学ぶことで、より豊かな香りのある暮らしを楽しむことができるでしょう。
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