もう疲れない!敏感すぎる心と付き合う方法

誰かの態度や街のにおい、生活音……。日常の些細なことが気になってしまうことはありませんか?もともとの気質として敏感な人もいれば、ストレスが溜まることで過敏になる人もいるでしょう。敏感さはときに役立つ一方で、心を疲れさせてしまうことも。敏感な心を優しく整えるためのヒントと、お守りのように寄り添ってくれるアロマレシピを紹介します。

監修
立川秀樹
監修
立川秀樹

たつかわ・ひでき/精神科医、博士(医学)。医療人社団医燎会理事長。パークサイド日比谷クリニック院長。精神科医として多くの臨床に従事し、多数の企業で産業医も務める。著書に『「こころの病気」から自分を守る処方せん』(毎日コミュニケーションズ)などがある。

敏感すぎる心の原因は?

敏感さや気後れは誰にでもあるものですが、生まれ持った気質もあれば経験からの思考のクセが影響することもあります。敏感に感じるポイントやその強さは人それぞれ。もし、あなたが他人の反応を過度に気にして気疲れしてしまう場合は、自分の思考のクセを客観的に見直すことで、敏感さを和らげることができるかもしれません。同じ出来事でも見方を変えるだけで、気持ちはずっと楽になるはずです。

普段は気にならないことでも、ストレスの蓄積によって交感神経が活性化した状態が続き、脳が休息できなくなるのが敏感になる原因のひとつです。そんなときはリラックスを心がけ、自律神経のバランスを整えることが大切です。敏感さは、危機意識の高さという強みでもあります。芸術作品や美しい風景に触れたときには、感動や喜びもひときわ大きく感じられるでしょう。ネガティブに捉えず、自分の特性としてその強みも活かしていきましょう。

敏感すぎる心を和らげるための4つの考え方

自分でコントロールできないことは受け流す

自分の行動はコントロールできますが、他人の評価や反応は思い通りにできません。対人関係のストレスは、相手の感情や状況が関係してくるため、自分だけでは解決できないことも多いもの。すべてを忘れることはできなくても、「気にしても仕方がない」と割り切って受け流すことで心に余裕が生まれます。

相手の本心までは把握できないと自覚する

他人が何を考えているのか?なぜ不機嫌なのか?と考えても、答えが出ないことがあります。不機嫌の理由は本人にしかわからないもの。答えが出ないことに頭を悩ませる必要はありません。「理由はわからないけれど、今はそういう状態なんだな」と一歩引いて捉えることで、気持ちを切り替えることができます。

人の評価はその人の都合であると知る

低い評価を受けたとき、つい落ち込んでしまうかもしれませんが、自分の価値が下がるわけではありません。誰もが皆、それぞれの立場に応じて人を評価しているのです。「そこまで言われる必要はない」と感じたら、「この人の都合に合わなかっただけ」と割り切り、受け止めましょう。

「減点主義」ではなく「加点主義」で考える

たとえばテストで80点を取ったとき、「80点も取れた!」と思うか「あと20点取れなかった」と落ち込むかで、心の反応は大きく変わります。敏感な人ほど減点方式で自分を責めがちですが、視点を加点方式に変えることで、自信や満足感を得られます。できたことに目を向けて、「私ってすごい!」と自分を褒めてあげましょう。

お悩み別おすすめアロマレシピ

日常のストレスや悩みへの対処方法と、それぞれの状況に役立つアロマの活用術を紹介します。

〈お悩みケース1〉人付き合いや世の中のこと。心配ごとが多すぎて疲れます

心配ごとで頭がいっぱいになってしまったら、「まあいいか」「とりあえず」など、自分の思考を中断する言葉を使ってみましょう。人の感情に振り回されているときは、「それはあの人の都合」と唱えるのも効果的。自分の気持ちをリセットできる言葉を口グセにすることで、心がふっと軽くなります。

あれこれと悩んでしまうときはアロマスプレーをシュッとひと吹きし、香りで気持ちをリセットしましょう。フレッシュな甘さのかんきつと爽快なスペアミントの香りは、感情のバランスを整え前向きな気持ちになれそうです。

〈アロマレシピ〉

  • スイートオレンジ…10
  • プチグレン…4
  • ネロリ…3
  • パチュリ…2
  • スペアミント…1

〈お悩みケース2〉やるべきことが多すぎて、何から始めればいいのかわかりません

一度にたくさんのタスクが重なると、すべてが重要に感じて混乱してしまうことも。そんなときは「Aが終わったらB、次はC」と、作業を小さなステップに分けて書き出してみましょう。ステップが細かいほど達成感が得やすくなり、スムーズに物事を進められます。

煮詰まってしまったらディフューザーなどを利用して気分転換を。レモンが香り立ちフレッシュさが溢れるブレンドは、思考回路を整理整頓し、「もうひと頑張り!」と背中を押してくれるでしょう。

〈アロマレシピ〉

  • レモン…11
  • ローズマリー…4
  • レモングラス…2
  • ペパーミント…2
  • べチバー…1

〈お悩みケース3〉一緒にいるととても疲れてしまう相手がいて、接し方に悩んでいます

苦手な相手とは、物理的な距離をとるのも効果的です。少し席を離したり、相手との間に物を置くなどして、心の境界線を意識してみましょう。職場なら文具などを使ったり、カフェならシュガーポットを置いてみたり。「相手と自分の間には境界線がある」と考えると、距離感が調整できます。

心の境界線を引くには香りも有効です。かんきつ系の爽やかな香りはプレッシャーを跳ね返し、気持ちを安定させてくれそう。テラコッタディフューザーなどに垂らし、デスクに置くのもおすすめです。

〈アロマレシピ〉

  • ユズ…6
  • グレープフルーツ…5
  • ブラックペッパー…4
  • サイプレス…3
  • ローマンカモミール…2
レシピ作製
堺 華子
レシピ作製
堺 華子

さかい・はなこ/AEAJ認定アロマテラピーインストラクター、アロマブレンドデザイナー。「epuy Holistic LAB.」主宰。「植物&食物の力で心と身体を健康に」をモットーに、オーダーメイドのブレンド作製や、各種講演などで幅広く活躍。

※この記事は取材当時の情報です。

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「sense of AROMA」は、公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)が運営するWEBメディアです。
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