ネロリ精油の香りとは?不安やストレスを感じるときにおすすめのアロマ活用法

ネロリと精油の画像

仕事や家事、人間関係などで忙しい毎日が続くと、気持ちが張りつめたままになり、ふっと力を抜きたいと感じることはありませんか。そんなときは、かんきつのさわやかさとフローラルのやさしさをあわせ持つ「ネロリ」の香りがおすすめです。今回は、ネロリの香りの特徴や、ライフスタイルに取り入れやすい活用法について解説します。

ネロリとは?

ネロリの画像

ネロリの原料植物名はビターオレンジで、学名はCitrus aurantium(キトルス・アウランティウム)といいます。学名の「aurantium」は橙黄色を意味し、果実の鮮やかな色に由来しています。

「ネロリ」という名前には、興味深い由来があります。17世紀末、イタリアのネロラ公国の公妃がこの香りを愛用し、ヨーロッパの宮廷社会に広めたといわれています。公妃はなめし革の手袋のにおい消しとしてもこの香りを使用していたことから、「ネロリ」という名前が定着したとされています。

ネロリ精油の香り

ネロリ精油は、ビターオレンジの花から水蒸気蒸留法によって抽出されます。同じビターオレンジの木からは、部位によって異なる精油が得られることも特徴的です。葉や枝から得られた精油は「プチグレン」と呼ばれ、さわやかな香りで人気があります。

ネロリの香りの特徴は、かんきつ系のさわやかさと甘いフローラルが調和した上品さ。この香りを生み出しているのは、構成成分の約半数を占める「リナロール」という成分です。リナロールは鎮静作用や抗菌作用をもち、ラベンダーやイランイランなどにも多く含まれています。

なお、同じビターオレンジの花から取れる精油でも、抽出方法によって呼び方が異なります。

花を水蒸気蒸留して得られる精油を「ネロリ精油」と呼ぶのに対し、揮発性有機溶剤抽出法によって得られるアブソリュートは「オレンジフラワー精油」または「オレンジブロッサム精油」と呼ばれています。

ネロリ精油の香りがもつ力

ネロリ精油の香りは、心地よさをもたらすだけでなく、リラックスや気分転換をサポートするとされています。ここでは、ネロリ精油の香りがもつ力について紹介します。

PMSが気になるときに

PMS(月経前症候群)は、月経前の3~10日にわたって続く精神的・身体的症状のことです。イライラや落ち込み、下腹部や乳房のハリ・痛みなどが主な症状として現れます。

ネロリ精油は、こうした気分の変化や痛みに働きかける力があるといわれています。実際に、PMSに関する実験では、月経前の5日間、ネロリ精油で芳香浴を行ったグループの方が、香りのないスイートアーモンド油を使ったグループよりも、症状の緩和が見られたという結果が確認されています

気分の落ち込みや違和感を感じやすいときに、セルフケアの一環として取り入れてみるのもよいでしょう。

更年期の症状が気になるときに

更年期には、卵巣機能の低下により女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンが減少します。特にエストロゲンの分泌量は乱高下しながら急激に減少するため、脳が混乱して自律神経のバランスが乱れ、さまざまな心身の違和感が引き起こされます。

また、まじめで完璧主義の人や繊細な人などは、更年期の症状を感じやすいといわれています。

閉経後の女性を対象にネロリ精油の芳香浴を行った研究では、香りなしと比べて更年期の症状が軽減し、血圧が低下したことが示唆されています。

更年期は誰もが通る道ですが、その症状の程度には個人差があります。ネロリの香りを日常に取り入れることで、この時期をより穏やかに過ごせるかもしれません。

冷えが気になるとき

手足の冷えに悩む方は多いのではないでしょうか?

冷え性の原因のひとつに、「自律神経の乱れ」が挙げられます。自律神経は呼吸や体温を調整している神経です。ストレスや不規則な生活によって自律神経のバランスが崩れると、体温調整や血流に影響が出てしまうのです。

ネロリ精油の香りを嗅ぐことで、ストレスによって低下した皮膚温度が上昇したという報告があります。

冷えが気になるとき、ネロリ精油を植物油で希釈してセルフトリートメントをすると、マッサージによる血行促進も期待できておすすめです。

不安を和らげたいときに

香りは脳にダイレクトに届き、すばやく気分転換を促してくれます。不安や緊張を感じているときは、心地よいと感じる香りを嗅ぐことで、心を落ち着けることができます。

ネロリ精油を使ったセルフハンドトリートメントをした後、燃え尽き症候群や不安感が軽減したことが報告されています。

日々のストレスや不安を感じたとき、ネロリの香りは心をやさしく包み込み、穏やかな気持ちへと導いてくれるでしょう。

ネロリ精油の活用法

ここでは、ネロリ精油を暮らしの中で楽しむ方法として、自宅で手軽にできる活用法を紹介します。

スキンローション

精油の画像

ネロリウォーター(芳香蒸留水)を使った手作りスキンローションは、肌の状態に合わせてしっとりタイプとさっぱりタイプから選べます。


<準備するもの(50ml容器の場合)>

しっとりタイプ

  • お好みの精油…5滴
  • ネロリウォーター(芳香蒸留水)…40ml
  • 無水エタノール…5ml
  • グリセリン…5ml

さっぱりタイプ

  • お好みの精油…5滴
  • ネロリウォーター(芳香蒸留水)…45ml
  • 無水エタノール…5ml

あると便利な用具…耐熱ガラスビーカー、耐熱ガラス棒、遮光性保管容器、ラベル


<作り方>

  1. ビーカーに無水エタノールを入れ、精油を加える。
  2. ガラス棒でよく混ぜる。
  3. 芳香蒸留水とグリセリン(しっとりタイプの場合)を加え、再びよく混ぜる。
  4. 遮光性保管容器に移し、作製日や内容などを記載したラベルを貼って保管する。

※使用前には、必ず容器をよく振りましょう。
※保存料が入っていないため、冷暗所に保管し1〜2週間以内に使い切りましょう。


<精油の選び方>
肌に使用するアイテムを作るときには、皮膚刺激のない精油、光毒性のない精油を選びましょう。

【皮膚刺激のある精油】
アロマテラピー検定で学習する30種のうち、皮膚刺激がある精油は次の7種です。

  • イランイラン
  • ジャスミン(アブソリュート)
  • ティートリー
  • ブラックペッパー
  • ペパーミント
  • メリッサ
  • ユーカリ

【光毒性とは】
紫外線により肌に炎症を起こす反応のこと。ベルガモットやレモンなどのかんきつ系は注意が必要です。該当の成分(ベルガプテン、フロクマリン)を除去した精油も販売されています。

アロマバーム

アロマバームの画像

肌の乾燥が気になるときにおすすめの全身に使えるアロマバームです。


<準備するもの(20ml容器の場合)>

  • シアバター…2.5ml
  • ミツロウ…2g
  • 植物油(ホホバ油、スイートアーモンド油、ココナッツ油など)…10ml
  • お好みの精油…1~2滴(顔にも使用する場合は1滴まで)

あると便利な用具…耐熱ガラスビーカー、耐熱ガラス棒、ボウル(湯煎用)、ラベルなど


<作り方>

  1. ビーカーにミツロウと植物油を入れ、湯煎にかける。
  2. ミツロウが溶けたら取り出して粗熱をとる。
  3. 精油とシアバターを加え、ガラス棒などでよく混ぜ合わせる。
  4. 容器に移し、作製日と精油名を記載したラベルを貼付する。

※保存料が入っていないため、1カ月以内に使い切りましょう。

アロマフレグランス

アロマフレグランスの画像

外出先でも気軽にネロリの香りを楽しめる、手作りアロマフレグランスです。


<準備するもの(30ml容器の場合)>

  • お好みの精油…6滴
  • 無水エタノール…5ml
  • 精製水…25ml


<作り方>

  1. 無水エタノール5mlに精油6滴を入れてよく混ぜる。
  2. 1.に精製水25mlを加え、よく振る。
  3. 作製日を記入したラベルを貼る。

※使用前には、必ず容器をよく振りましょう。
※保存料が入っていないため、冷暗所に保管し1~2週間以内に使い切りましょう。


<アロマセラピストのおすすめブレンド>
ネロリ…2
スイートオレンジ…3
サンダルウッド…1

華やかなネロリの香りに明るくフレッシュなスイートオレンジを加え、落ち着いたサンダルウッドでまとめました。不安や緊張でこわばった心と身体をやさしく包み込んでくれるようなブレンドです。

アロマテラピートリートメント

足をマッサージしている画像

精油と植物油を混ぜたトリートメントオイルを顔や身体に塗布する方法です。保湿やリラクゼーションなどが期待できます。

トリートメント法を実践するときは、必ず植物油(ホホバ油やスイートアーモンドオイルなど)で希釈しましょう。精油の濃度は、身体に使用する場合は1%以下、顔に塗布する場合は0.5%以下になるようにします。肌の弱い方は、低い濃度から試すことをおすすめします。

精油の基本的な使い方や注意点については、こちらの記事で紹介しています。

まとめ

ネロリの香りは、古くから愛されてきた歴史を持ち、かんきつ系のさわやかさと甘いフローラルが調和した上品な香りが特徴です。その香りは単に心地よいだけでなく、PMSや更年期の症状緩和、冷え対策、不安の軽減など、さまざまな場面で役立ちます。

スキンローションやアロマバーム、アロマフレグランスなど、自宅で簡単に作れる活用法を試すことで、日常のセルフケアにネロリの香りを取り入れることができます。

アロマテラピーについてさらに深く学びたい方は、「アロマテラピー検定」の受験もおすすめです。正しい知識を身につけることで、より安全にアロマテラピーを楽しむことができます。

【出典】
Heydari N, et al. (2018) Investigation of the effect of aromatherapy with Citrus aurantium blossom essential oil on premenstrual syndrome in university students: A clinical traial study. Complementary Therapies in Clinical Practice 32:1-5.
Seo Yeon Choi, et al. (2014) Effects of Inhalation of Essential Oil of Citrus aurantium L. var. amara on Menopausal Symptoms, Stress, and Estrogen in Postmenopausal Women: A Randomized Controlled Trial. Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine 796518:1-7.

監修
アロマサイエンス研究所
監修
アロマサイエンス研究所

植物の持つチカラが、心や身体にどのように作用するのか、研究・調査によってその有用性を明らかにし、さらに多くの方にアロマテラピーの魅力を伝えていくため、公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)が立ち上げた研究所。

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