精油とアロマオイルの違いは?選び方や楽しみ方も解説
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アロマテラピーを始めたいと思ったとき、「精油(エッセンシャルオイル)」と「アロマオイル」、どちらを選べばよいかわからないという方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、精油とアロマオイルの違い、精油の選び方、楽しみ方などを紹介します。
精油(エッセンシャルオイル)とアロマオイルの違い

精油(エッセンシャルオイル)とは、植物の花や葉、果皮、樹脂などから香り成分を抽出した天然のエッセンス。「オイル」という言葉がついていますが、油脂ではなく、有効成分を高濃度に含んだ揮発性の芳香物質です。
一方、アロマオイルは、精油や合成香料、無水エタノール、植物油などを混ぜて作られる製品です。
- 精油:植物由来の天然の香料
- アロマオイル:合成香料も含んだ芳香製品
と覚えておくとよいでしょう。
精油の選び方
アロマテラピーは、植物から抽出された天然の香りである「精油」を使用します。受粉を促すために香りで誘ったり、害虫から身を守るために虫が嫌がる香りを出したりと、植物が生きるために蓄えた香りの力を借りて、私たち人間の心身のバランスを整えるのがアロマテラピーなのです。
原料となる植物や抽出部位などによって、精油の香りや特徴が異なるため、自分の好みや目的に応じて選んでみましょう。
香りの感じ方は、そのときの体調や気分によっても異なります。香りを試したときの直感や、頭に浮かんだイメージなどから選ぶとよいでしょう。お悩みに合わせて精油を選びたいときは、こちらの記事も参考にしてみてください。
「アロマの種類と効果を徹底解説!購入時のポイントも解説」
選び方がわからない場合は、アロマテラピー専門店で販売員からアドバイスを受けると参考になりますよ。
また、AEAJでは、消費者保護の観点から、製品情報や使用上の注意を明確に表示するための基準として、「AEAJ表示基準適合精油認定制度」を定めています。
この基準を満たす精油ブランドは、「AEAJ表示基準適合認定精油」として認められています。
※表示基準の認定であり、精油の品質認定ではありません。
「AEAJ表示基準適合認定精油」ブランド一覧
AEAJ表示基準適合認定精油に認定されている精油には、下記の8項目が記載されています。
項目 | 詳細 |
---|---|
ブランド名 | 精油のブランドの名称 |
品名 | 「レモン」「ペパーミント」などの植物の名称(通称) |
学名 | 植物は国や地域の方言によっても呼び名が異なるため、学名によって特定している |
抽出部分(部位) | 「花」や「葉」など、精油を抽出した部位の名称。同じ植物でも、部位が違うと香りも異なる |
抽出方法 | 精油を抽出した方法。同じ植物、抽出部分でも異なった方法で抽出されれば、精油の内容(成分)も異なる |
生産国(生産地)または原産国(原産地) | 精油や原材料が生産された国や地域。産地により土壌、天候が異なるため、精油の内容に大きな影響を与える。産地は精油の個性をあらわす重要な情報 |
内容量 | 精油の内容量 |
発売元または輸入元 | 精油を販売する上で責任の所在を表すもの |
精油を選ぶときは、ラベルや説明書に上記の項目が記載されているかどうかを確認してみましょう。
精油の楽しみ方
精油は、心や身体のバランスを整え、毎日をより快適に過ごすためのサポートをしてくれます。
気軽に使える方法がたくさんあるので、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
ここからは、精油の楽しみ方を紹介します。
精油の楽しみ方 1|香水・フレグランス
精油を無水エタノールで希釈すると、ナチュラルなフレグランスとして使用できます。天然の植物の香りであるため、人工的な香りが苦手な方にもぴったりです。
精油を使ったナチュラルフレグランスの作り方を知りたい方は、下記の記事もチェックしてみてください。
「アロマと一般的な香水の違いは?アロマを使ったナチュラルフレグランスの作り方も解説」
精油の楽しみ方 2|ルームフレグランス

ルームフレグランスとして、お部屋の中に植物の心地よい香りを広げることができます。アロマディフューザーやアロマストーン、お湯を入れたマグカップなどに数滴垂らすだけで、簡単に楽しめるのも魅力です。
精油と無水エタノール、水を混ぜてスプレーボトルに入れれば、ルームスプレーに。
また、ハンカチやティッシュ、コットンなどに精油を1~2滴垂らして持ち歩けば、オフィスや外出先でも楽しめますよ。ぐっすり眠りたいときは、寝る前に枕元へ置いてみましょう。
お部屋をアロマで満たす方法やルームフレグランスの作り方を詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
「【部屋別】おすすめのアロマ|毎日をよい香りで過ごす方法を紹介」
精油の楽しみ方 3|入浴剤
精油を入浴剤として使うのもおすすめです。精油のよい香りで、いつものバスタイムがより充実したものになるでしょう。
精油は水に溶けにくいため、少量の無水エタノールによく混ぜてからお湯に入れます。無水エタノールに精油を混ぜてから、天然塩を加えてアロマバスソルトにするのもおすすめです。
お風呂でアロマを楽しむ方法については、下記の記事で詳しく紹介しています。
「お風呂でアロマを楽しもう!アロマバスの方法や効果、注意点も紹介」
精油の楽しみ方 4|マッサージや保湿ケア

精油を植物油で希釈すると、自宅でのマッサージや保湿ケアなどにも活用できます。希釈用の植物油には、下記のような肌に使えるものを選びましょう。
- ホホバ油
- スイートアーモンド油
- オリーブ油 など
また、精油の濃度は植物油に対して1%以下、顔に使う場合は0.5%以下になるようにします。肌が弱い方は、より低い濃度から試してみるのがおすすめ。
使用する精油の種類にも注意が必要です。たとえば、レモンやベルガモット、グレープフルーツなどの柑橘系の精油は、紫外線に当たると肌に炎症を起こすおそれがあります。これらの精油をマッサージや保湿ケアに使うのは避けましょう。
精油を使う際の注意点

精油を安全に使用するために、いくつか注意しておくことがあります。しっかりチェックしておきましょう。
原液を直接皮膚につけない
精油は香り成分が高濃度に凝縮されたエッセンスであり、原液のまま肌につけると刺激を感じることがあります。入浴剤やマッサージなど、肌に触れる楽しみ方をする場合は、必ず無水エタノールや植物油などで希釈しましょう。
精油の原液が肌についてしまった場合は、大量の水でしっかりと洗い流してください。肌に赤みや刺激、発疹などの異常が見られた場合は、医療機関に相談しましょう。
精油を飲用しない
日本において精油は、一般的に「雑品」として扱われています。食品や医薬品ではないので、精油を飲んだり飲食物に混ぜて摂取したりするのは避けましょう。
精油を誤って飲んでしまった場合は、すぐに大量の水ですすぎます。
子どもなどが飲み込んでしまった際は、吐かせず、速やかに医療機関を受診してください。受診時には、誤飲した精油ビンを持参するか、精油の名前と飲んだ量をメモして持っていくことをおすすめします。
精油を目に入れない
目は皮膚よりもデリケートな部位であるため、精油を目に入れたり、精油がついた手で目をこすったりしないよう注意しましょう。
万が一精油が目に入ってしまった場合は、すぐに水で洗い流し、決して目をこすらず、早めに医療機関へ受診してください。
火気に注意する
精油は引火性があります。キッチンなど火を使う場所では、精油の取り扱いには十分に注意しましょう。
子どもやペットの手の届かない場所に置く
子どもやペットがいる家庭では、精油の誤飲が発生するおそれがあります。子どもやペットが触れない場所に保管するようにしましょう。
まとめ
精油は植物から抽出した天然のエッセンス(植物性香料)であり、アロマオイルは合成香料も含まれた芳香製品です。アロマテラピーには、精油を使いましょう。精油を選ぶ際は、自分が好きな香りを優先することをおすすめします。
精油は、ルームフレグランスや入浴、スキンケアなど、生活のさまざまなシーンに取り入れることができます。精油を正しく安全に扱い、アロマに包まれた暮らしを始めてみませんか?
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