【動画】『徹底探求!進化するナチュラル・オーガニック製品の世界』開催レポート

2023年11月3日に開催した「アロマフェスタ2023 -第26回会員のつどい- in Tokyo」のメインステージでは、『徹底探求!進化するナチュラル・オーガニック製品の世界』と題し、業界の最前線で活躍する3名を迎えたトークセッションを行いました。

コロナ禍を契機に大きく変化した生活様式や価値観が「香り」にもたらした影響について、AEAJ理事・小倉彰氏の司会のもと、活発に意見が交わされました。     

<登壇者>

株式会社マッシュビューティーラボ(コスメキッチン運営) 下田 裕華 氏

株式会社生活の木 鈴木 優人 氏

株式会社ニールズヤード レメディーズ 藤井 裕子 氏

※50音順

コロナが 変えた香りとの距離感

まず話題にあがったのは、天然香料への関心の高まりです。

「コロナ禍で家に閉じこもる生活になった時、人は無意識のうちに“自然”を求めました。外に出られない中、香りが自然を感じさせてくれる手段になったんです」。そう語るのは、ニールズヤード レメディーズの藤井氏。

ルームフレグランスやアロマ製品が急激に売れた背景には、香りが“自然との接点”になったという側面がありました。

マッシュビューティーラボの下田氏も、「コロナ禍で一日中家にいて朝と夜の区別がつかないような生活の中で、自分を“切り替える”スイッチとして香りを使う人が増えました」と振り返ります。

そして生活の木の鈴木氏も、現場での変化を実感しているといいます。

「『眠れない』というお悩みが多くなり、Web検索で“天然のアロマがいいらしい”と調べて来店される方が増えました」。

天然香料と合成香料の“違いと選択”

話題は、天然香料と合成香料の違いへ。

鈴木氏が「天然香料の注目が高まる一方で、合成香料も存在します。生活の木やニールズヤードレメディーズでは自社商品として天然香料を扱っていますが、コスメキッチンでは世界中の商品を仕入れる中でどのようなことを意識しているのでしょうか」と切り出すと、下田氏は次のように応えました。

「実際には、オーガニック認証を得た合成香料も存在し、すべてが悪いわけではありません。また、合成香料はそれ自体が悪いというわけではなく、例えば化粧水や乳液に入れるときに、香料が沈まないよう石油成分を入れたりします。そのような合成香料に“まつわる成分”が実は少し肌に悪さをすることもあるんです。ナチュラル・オーガニック製品は天然香料とそれにまつわる成分も自然由来のものを使っているため、そこが素晴らしいところだと感じ、そういった細かい成分まで見てセレクトしています」。

アロマは“気持ち”だけじゃない──科学が証明する香りの力

セッション終盤では、アロマテラピーとエビデンスの関係が議論されました。

下田氏が紹介したのは、慶應大学の研究。「ルームスプレーをスキンケアの前に使うと、ハリやツヤの効果が上がったんです」。これは、香りによるリラックス効果が自律神経に作用し、肌の炎症や老化を防ぐ“科学的根拠”が示された事例の一つです。

また、司会を務めた小倉氏も「医療関係者や研究者がアロマテラピーに注目し始めていて、AEAJでもエビデンスを重視している」と語るなど、これまで何となく“気持ち”で選んでいた香りも、「科学的根拠に基づく選択」へと進化しつつあります。

生活様式の変化をきっかけに興味関心が高まり、新しい風が吹いたナチュラル・オーガニック業界。そして、香りという見えないチカラが、確かに私たちの日常に、これまで以上の意味をもたらしていることが再確認されたセッションとなりました。

AEAJでは、年間を通じてさまざまなイベントを実施しております。

今年度実施予定の「アロマ大学2025」の講座「香りを楽しむスキンケア〜植物の力・魅力に迫る〜」では、人気のナチュラルコスメブランドから講師をお迎えし、「なぜスキンケアに精油が使われるのか?」という素朴な疑問から、その精油を使うに至るまでの開発の裏話などをたっぷり伺います。ぜひご参加ください。

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「sense of AROMA」は、公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)が運営するWEBメディアです。
アロマで暮らしを彩り、健康で豊かな毎日を過ごすためのヒントをお届けします。

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